家事代行と家政婦、といったサービスを耳にしたことはあるかと思います。
どちらも家事で忙しい方にとってはありがたいサービスです。
しかし、「どちらも家事を手伝ってくれるなんだろうな」という認識はあっても、明確な違いはわからないという方も多いのではないのでしょうか。
そこで今回は「家事代行」と「家政婦」の違いを解説いたします。
目次
家事代行と家政婦の違いは?

家事代行と家政婦の違いは大きく3つありますので、順に解説していきます。
・契約形態
家事代行と家政婦の最も大きな違いは、雇用形態です。
家事代行はスタッフを派遣する会社との企業契約であるの対し、家政婦が依頼者と家政婦本人の個人契約となります。
【家事代行】
【家政婦】
要するに、依頼主と家政婦の間に家事代行会社が入るかどうか、ということです。
家政婦は、家政婦紹介所などで紹介を受け、面接などを行った上で、利用者と家政婦の間で契約を交わします。
一度「この人にお願いする」と決めたら、料理、洗濯、掃除など、どんな内容でも一人の人にお願いすることになります。
また、個人との間の契約であるため、もし家財道具の破損・盗難などのトラブルに見舞われたとき、家政婦の場合は個人同士で解決しなければなりません。
さらに、家政婦を手配するにはある程度の時間を要するため、人柄やサービスの内容に不満があってもすぐに担当者を変えることは難しいでしょう。
しかし家事代行の場合は、依頼する内容によって、その会社に属するスタッフの中から、依頼に沿った人材が選ばれる場合が多いようです。
会社との契約ですので、担当者を変えてほしい場合は、個人契約の家政婦に比べ融通は利きやすいです。
家事代行は会社を通しての契約になりますので、トラブルが起きた際も会社を仲介して解決することになります。
また、家事代行業者はトラブルに備えて損害保険に加入していることが多いのでその点でも安心といえるでしょう。
家事代行…家事代行会社を仲介して解決
家政婦…個人同士で解決
■スタッフの変更
家事代行…スタッフの変更も融通が利きやすい
家政婦…すぐにスタッフの変更は難しい
■同じスタッフに頼めるかどうか
家事代行…毎回違うスタッフが訪問するケースもある
家政婦…毎回同じスタッフが訪問
・作業時間
家事代行と家政婦は料金体系が異なり、1度に依頼できる作業時間にも差があります。
家政婦は日給制が多く1日約8時間の勤務を基本とし、日常的に家事を依頼したい場合は住み込みで働いてもらうことも可能です。
家事代行は時給制で作業時間は一般的に2〜3時間とされ、契約時に前もって決められています。
しかし最近では、数時間単位で依頼を受けている家政婦も増え、家事代行と同じように利用できるようになりました。
■家事代行は短時間で決められた家事を行う
家事代行ではあらかじめ決められた時間内に出来る範囲の家事を行います。
例えば次のようなケースが挙げられます。
2時間の掃除を依頼:洗面所とお風呂・リビングを掃除
3時間の料理プラン:食材買出しと調理・調理後の片付け
このように時間に制約があるため、時間を越えると追加料金が発生するというリスクはあります。
さらに、家事代行サービスは「掃除プラン」なら掃除だけ「料理プラン」なら料理だけと決められている場合もありますので、どんな範囲で対応してもらえるか事前に確認しておくことが必要です。
■家政婦は1日を通してさまざまな家事を行う
家政婦の場合は、1日かけて、家中のあらゆる家事を任せることが出来ます。
家政婦依頼の例
午前:洗濯・掃除・昼食の準備
午後:買い物・洗濯・夕食の準備
など、さまざまな家事をこなし、その日ごとに希望の家事があれば臨機応変に頼むことができます。
なた、中にはベビーシッターやお年寄りのいる家庭での見守りや介護補助などを行う家政婦もいます。
1日中家事を頼みたいという場合、住み込みで働いてもらうことも出来ます。
家政婦…日給制が多い
・依頼できる内容
結論から言うと依頼可能なサービスの範囲は基本的には同じですが、時間に制約があるかないかという点に違いがあります。
ただし、一部の家事代行では対応不可能なものもあるため、依頼前に確認する必要があります。
家事代行サービスで依頼できる家事には次のようなものがあります。
・各部屋の掃除
・キッチン、トイレなどの水回りの掃除
・洗濯やアイロンがけ
・買い出しや料理
・食器洗いや片付け
・ゴミ出しやゴミの分別
・引っ越しの手伝い など
家事代行は介護・看護・ハウスクリーニング・子どもの世話・家庭教師など、その分野の専門的技能が必要な業務や危険を伴う仕事は依頼できません。
一方、家政婦は個人契約であるため、個々の状況に対し家政婦の承諾を得れば依頼できることもあります。
家事代行よりもより柔軟に対応することができ、急なお願いも聞いてくれることがあるようです。
家政婦…家事代行と同様に基本的な家事が依頼可能だが、家政婦によって柔軟に対応可能
家事代行と家政婦どちらがおすすめ?

家事代行と家政婦の違いをご紹介しました。
「それじゃあ、結局どっがいいの?」と思う方もいらっしゃるかと思います。
結論から申し上げると、人によって異なります。
そこで、家事代行と家政婦のメリット・デメリットをまとめましたしたので、各々を比較して自分がどちらのサービスを依頼するべきかを検討していただければと思います。
・家事代行のメリットとデメリット
・スタッフの変更がしやすい
・「掃除だけなど」ピンポインでの依頼がしやすい
・短時間なら低コストで依頼可能
・同じスタッフに継続して来てもらえないことがある
決まった時間・予算で部分的な家事を依頼したいという方には家事代行がおすすめです。
時間単価は高くなりますが、短時間で終わる家事ですとかなりコストを抑えることができます。
ただ、サービスプランや依頼時間によっては出来る家事が限られており、「何から何まで」とは行かない場合もあります。
1日家にいてほしい・全てを任せたいなら家政婦がおすすめです。
・家政婦のメリットとデメリット
・同じ人にずっと来てもらえてサービスの融通が利きやすい
・信頼関係が築きやすい
・頻繁に継続的に依頼するなら割安
・辞めると次のスタッフを見つけるのに手間や時間がかかる
家政婦は、朝から晩まであらゆる家事を依頼したい場合におすすめです。
また、同じ人が継続してくるので信頼関係は家事代行より築きやすいでしょう。
信頼関係が成り立てば、時間や依頼内容の融通が利きやすくなり、サービスの満足度が上がっていきます。
しかし、頻繁に顔を合わせることになるので性格が合わないと継続は難しいですし、依頼範囲が広いと希望条件を満たす人がなかなかいないなど、人材の確保が難しいというデメリットもあります。
また、物損などのトラブル発生時は当人同士で解決する必要があるので、契約時の取り決めや、事故の可能性・実際に起こったときの対応には注意しておかなければなりません。
家事代行と家政婦の料金相場の違いは?

家事代行と家政婦を依頼する際に、やっぱり気になるのが料金ではないでしょうか。
こちらでは、2つのサービスの料金相場をご紹介します。
・家事代行の利用料金相場
家事代行では、基本料金や延長料金、交通費、鍵預かり料金など、さまざまな利用料金が発生します。
基本料金の相場は1時間あたりだいたい2,000〜4,000円ですが、2〜3時間単位で依頼を受け付けている場合が多いため、実際は4,000〜12,000円の支払いとなることが多いでしょう。
また、あらかじめ決められた作業時間を超過すると、30分ごとに1,500〜2,300円の延長料金がかかることもあります。
交通費は、依頼主の自宅から1時間圏内に住む担当者が選ばれるため、700〜1,000円程度が目安です。
定期的に通うことを目的とする鍵預かりの料金は無料のところもあれば、もしくは1か月1,000円程度かかるところがあります。
・家政婦の利用料金相場
家政婦の利用料金の相場は、短時間の依頼時に発生する「時給」、通いで家事を代行する「日給」、宿泊を伴う「住み込み」によって異なります。
時給は1時間あたり2,500〜3,000円が相場であり、日給(1日8時間)だと13,000〜15,000円です。
住み込みで働いてもらう場合には実労働時間が12時間と多くなるため、20,000〜35,000円になります。
これらの料金に加え、交通費や家政婦紹介サービスからの紹介手数料などがかかることも頭に入れておきましょう。
・どちらも定期契約すると安くなる
家事代行や家政婦のどちらにも言えるのは、単発の依頼よりも定期契約のほうが利用料を安く済ませられることができます。
定期的なサービスを考えている方は、定期契約がおすすめです。
中には、お試しプランなどがある場合もあるので、「はじめて依頼するから不安」という方は、まずはお試しプランを利用しサービスがどのようなものか試したのちに、定期契約を検討するのもよいでしょう。
まとめ
今回は、家事代行と家政婦の違いについて解説しました。
どちらも家事を手伝ってくれるサービスには変わりありません。
しかし、契約形態やサービス内容など、家事代行と家政婦では異なる部分があります。
2つのサービスの違いを理解したうえで、自分にあったサービスをご利用ください。
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